星獣殿 NOVELページ >ダークサイド FILE > ダークサイドFILE No.14

ダークサイドFILE No.14

悪魔の契約

作者 DarkStar


悪魔の契約

何かを得るためには、それに見合う代価が必要。

少女の前に立つ黒い影・・・・・。

闇に蠢くそれは・・・・・人とは異なる異形の存在。

『彼』に願った少女の願い
それは、いま正に達成されたのだった。

「ありがとう、あなたのおかげで私、次の劇で主役になれるわ。」

彼女の願いは、ライバルを蹴落し、
自分が主役になることだった。

その言葉に影は笑い、
質感がないながらも平面ではない影。

待ちかねたように口元を緩ませながら、口を開いた。

『そうだね。願いは叶えたよ。・・・・・
 じゃあ、そろそろ代価を貰おうか・・・・・・。』

『影』の声は空気の振動ではなく、
直接少女の心の中に語りかけてくる物だった。

「わ、わかったわ・・・・、で代価って何?」

『そうだな・・・・じゃあ、君の美しい姿を貰うとしよう・・・・・・』

「姿?」

少女は、不思議そうな顔をする
美人に生まれ育ってきた彼女にとって、

自分の容姿に対する褒め言葉を受ける事はあっても、
当たり前に存在するそれを奪われる危機感は小さく。

余りピンと来ていない。

『うん、そう・・・・・・・』

影は、頷きながらそういうと、

「な・・・・なに・・・・」

体に感じる突然の違和感。

少女のが体をかがめ、自分の顔を掻きだす。

「い、いや、なに・・・鼻が、鼻がかゆい、かゆいいいい」

手は頬から、鼻の頭に移り
力強く引っかかれたそれは赤みを帯びていく

真っ赤に晴れ上がった鼻そして、広がっていく鼻腔
そして、左右についた耳が重力によって垂れながら、
頭の上に移動する。

少女のスレンダーな
細い体の脂肪がふえ、
ふくよかな体へと変わっていく。

「ふぅ、ぶぅ・・・ブヒィ、ブヒィ!!!」

人とは違うその声に驚いた彼女の視界に入ったものは、
無残にも、黒々とした蹄に姿を変えてしまった自分の腕だった。

「ブゥブゥ・・・・フゴゥ・・・フゴゥ!!!」
(いやぁああああ、豚なんて、豚なんていやあああ。)

洋服をその身に巻きつけたそれは、一頭の豚。

『いいじゃん。それに人間に戻れないわけじゃないよ。
 たまに豚に変身するだけだから、案外楽しいかもよ。
  でも気をつけないと授業中や、
  皆のいる前で・・・・・・あああ、舞台の上で、
 いきなり豚になっちゃうかもしれないけどね。』

「ブヒィイ、ブヒイイイイ」

どんなに悲しくても、涙は出ず・・・・彼女は『ないた』

『じゃあ、そうだな・・・・100人・・・・・。
 100人の女の子を君と同じ豚人間にしたら、君の願い叶えてあげるよ。』

「ブヒィイ!!!? ブブブヒ」
(100人? そんなに・・・・)

『そう、まあ簡単とは言わないけど、
 達成できない数じゃあないよね。』

「・・・・・・・・・・・・ブヒィ!!!、フゴゥ、ブヒブヒ!!」
(・・・・・・・・わかった・・・・本当に人間に戻してくれるのね・・・・)

『そうだね。君の願いが「そう」なら、叶えてあげるよ。』

意味深な笑いを噛み締めながら、
影は、そう答えた・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

授業中・・・・・

「あッ」

と小さな声を出してしまいハッとする少女。

周りを見回すがどうやら彼女の声は皆には届かなかったようだ。

少女の椅子の下、ちょうど背もたれとお尻との間・・・

腰の付け根辺りから伸びる何か・・・・・・
それは、妙にむずがゆいながらも、椅子の背に触れると
少女に快感が走る。

(こ、これって、尻尾?・・・・あ、ああんん。
 こすれると気持ちいい・・・・。)

危うく、声を上げてしまうのを何とか堪える少女。

「ふー、ふー。」

鼻息がだんだん荒くなってくる・・・・・・。

「せ、先生・・・・ふぅ・・・・ふぅ・・・・・
 ぐ、具合が悪いので・・・・・・」

手を挙げ、顔を真っ赤にした少女に

担当教師も・・・・・・。

「そうだな・・・・・。熱もあるようだし・・・・・。
  おい、保険委員ついていってやれ・・・・・・。」

「あ、はい。いこ、伊乃ちゃん。」

(・・・・・・・さ、さくら・・・・・・・)

心配そうに少女・・・伊乃の寄ってきた保健委員の彼女こそ、
ライバルさくらだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「大丈夫?伊乃ちゃん・・・・」

「え、ええ、ぶひぃ・・・・」
と思わず、口元を隠す伊乃・・・・。

「ホントに・・・平気?」
心配そうに伊乃に顔を近づけるさくらに対して

(何よこの子ったらいい子ぶっちゃって・・・いつも、いつもそうなのよね。)

伊乃とさくらは幼馴染。
いつも一緒だった。

伊乃が何かを始めると、必ずさくらもやりたいと言い出し、
最後には、さくらの方が皆から注目される。

さくら自身、大事な幼馴染と仲良く一緒の事をしたいという一心で始め、
遅れを取り戻そうと一生懸命やった結果。
いつも伊乃よりも上達してしまっただけなのだ。

だが、負けてばかりいる伊乃からみれば、それは
単なる嫌味でしかない。

健全な友情がいつしか、歪んだものに変わり
二人には埋まることのない深い溝が刻まれている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

養護教諭が留守なのか
保健室には、誰もいなかった。

ただちに空いているベットに横になる伊乃。

「保健の先生今日は、出かけてていないの・・・
 だから、あたしが代わりに伊乃ちゃんを見ててあげるね・・・・・」

「だいじょうぶひぃ。・・・・ね、寝てれば治るんだから・・・・・。」

具合の悪そうな伊乃を気遣うさくら。しかし、伊乃にとってみれば

(誰のせいだとおもってんのよ。大体あんたさえいなきゃあたしは・・・・。
 ふふ、そうだ。・・・・・・まずは、この子から・・・・・)

「ねえ、さくら・・・・・・・・背中が苦しいの・・・・お願いさすって・・・・」

そういってベットから体を起こし、
普段、さくらには見せない笑みを浮かべた伊乃。

「あ、・・・・うん。」
心底うれしそうに背中に手を回すさくら

「そこじゃないもっと下、もっと下、・・・・・・」

「こっち?」

「ううん。もっとしたよ。」

さくらの手は、背中から、腰・・・・そして、

ふにょふにょ。

手にあたる細長く、生暖かいもの・・・・・・

「伊乃ちゃん・・・・なんか、腰の所に・・・・・えっ!!」

と伊乃の顔を見た途端。

驚きの余り声を失う。

彼女の鼻は倍以上に膨れ上がり、
吹き出される鼻息が、さくらの顔にあたる。

「い、いい、い・・・伊乃ちゃんが、ぶ、豚に・・・・・」

「ぶひぃいい、そうよ。あんたのせいで、ブヒッ
 あたしはこんな・・・・・ブグゥ・・・・
 す・・・姿になっちゃったの・・・・ブヒィ・・・・
 だから、今度は、あんたを、ブヒィ、ぶ、ぶたに・・・・
 フゴオオオ!!!!!」

人の言葉を鼻息に変えた伊乃はそのまま、さくらに襲い掛かる。

制服のスカートに顔を突っ込み、
だれにも触れられた事のない少女の股・・・
ショーツを掻き分けその中身に鼻を埋めて匂いを嗅ぐ。

(何?、これ、この匂い、いい匂い・・・・・
 こ、これって、さくらの匂い・・・なんてなんて甘いのぉ・・・・)

少女の甘い匂いに思わず
頭がボーっとし、そのまま、夢中で嗅ぎ続ける

「いやああ。ああああ」

声を上げるさくらを無視して、
鼻を動かし、伊乃の鼻がなぞるのは・・・・・・。

(さくらのお尻の穴・・・・すごく臭い。
 でも、・・・・・・・・・とってもいいにおい・・・・・・・・。
 これってさくらの匂いが凝縮されてるんだ。すごい。すごい!!!。)

鋭くなった伊乃の嗅覚が、人間の時には感じ得なかった
匂いに興奮し、

ついには、さくらの菊門に鼻当てる。

「い、いや、な、何、いや、伊乃ちゃん、だめ、だめだよ。」

(だめ・・・・この匂い・・・くらくらしちゃう)
匂いを嗅ぐだけでは我慢で無くなった伊乃は、そのまま、顔を突き出し、

少女の体内に、鼻を埋めていく。

「おおきい。おっきいいよおお。お・・しり・・・・そ、そんなの入らないよぉ」

伊乃が鼻から息を吹き込むとさくらのお腹が大きく膨らむ。
空気で膨らんだそれは、脂肪という中身が詰まり、

ズリおろされたショーツからも
バネのように弾んだものが飛び出している。

大きなお腹をゆらしながら、

「だめ・・・・、伊乃ちゃんばっかり・・・・
 あたしも伊乃ちゃんの・・・・・・」

とさくらも、伊乃の下半身の方へ顔を向ける。

伊乃のお尻にぴったりとつけられた
さくらの小さな鼻。

それが、伊乃の体の中へ埋まるように大きくなっていく。

「ブヒィイイイイイイイイイイイ!!!」
(な、なに・・・この感覚・・・・・
 さ、さくらの、鼻?、さくらの息?気持ちいい、気持ちいい
 さくらもっと、もっとやって。)

「フゴッ、ぶごおおお・・・・」
半ば、人の声を失ったさくらの声が響く頃

快楽に溺れ、伊乃のさくらに対する歪んだ気持ちは
溶けた氷のように無くなり。

「ブイイイイイイイイイイイ!!!」
(伊乃ちゃん。伊乃ちゃんも、もっとしてええ。)

「ブゥウウ、ブヒイイイ!!!!」
(あああん、さくらあああ)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

誰もいない保健室で
抱き合う二匹の豚人間。

巨大な鼻をくっつけ、
甘い鼻息を交し合いながら、
口では唾液を交換し合う。

「ブヒイイ!!!」
(伊乃ちゃん。大好き。)

「ブヒッ、ブヒヒヒ」
(あたしもよ。さくら・・・・ねえ、さくらにお願いがあるの・・・・)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それは、放課後 ホームルームの
「あら二人ともどうしたの?」

このクラスの担任女性教師の元に来た生徒達。

「実は、ここがわからないんです。」

二人とも、決して成績がよいわけではないが
一生懸命に勉強しようとする心に打たれ、

二人の勉強を見てあげる担任。

下校時間も近づき、夕焼け色に染まった教室には、

教師と生徒が二人だけ。


「先生。ありがとうございました。」
クラスの保健委員を勤める女の子の声に

「いいのよ。わからない事があったらなんでも聞いて。」

「先生・・・私達先生にお礼がしたいです。」
もう一人の少女がそういうと・・・・・・・・。
二人は、彼女を取り囲むようににじりよってくる。

「先生・・・・・きれいですよねぇ」

本人には、そのつもりはないのだが、
学校の中でも一、二を争う美人教師、
常に男性教師や生徒達から注目されている彼女。

「でも・・・・・・もっと綺麗にしてあげます・・・・ブヒィィ。」

その次の瞬間、かわいらしい少女達の顔は無残に形を変え

「きゃぁ、んむぐん、んんん・・・・」

恐ろしく変形したその顔に
悲鳴を上げる間もなく一人の大きな鼻に口をふさがれ、

もう一人からは、全身くまなく鼻を押し付けられ、舐められる

「ひぃ、ひぃ、ブヒィ、」と言う啼き声が上がる頃、

男たちを魅了する大きな双丘。
その下には、小さなふくらみがいくつもでき、

それらも、乳房に変わっていくと、

「ブヒィ、ブヒブヒ、ブヒヒヒ!!!」

3人だった教室に3匹の啼き声が響いたが、
その声は、ひとけのない校舎にこだましただけだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

放課後・・・・。

・・・・・突然、生徒指導室に呼ばれた生徒。

「吉原先生・・・・。あの・・・・なにか・・・・・」
特になにもしていないのに
突然呼び出された生徒、妙に緊張してしまう。

「野木さん・・・・あなた、かわいいわ・・・・・・」
やさしく声を掛ける女教師。

「え、そ、そんな事・・・・・・・・。」
憧れの女性教師に褒められ、顔を赤くする少女

「でも、もっと・・・・かわいく、してあげる・・・
 ブゥ・・・ブヒィ!!!」

「え、あ・・・あ、キャ ・・・・モゴッ」

悲鳴を上げる間もなく、
押し倒された少女の口はそのまま塞がれてしまった。

「むぐ、せ、せんせえ・・・・・ぶぅ、ぶひ・・・・。」
甘い声と息を吐き出しながら・・・・・。
少女のシルエットがだんだん膨らんでいく・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

放課後部活終わりの教室

「先輩・・・・・・・・・・」

「あら、どうしましたの?貴女達・・・・・・」

おだやかでやさしい少女の声。

「お願いがあるです・・・・・その・・・・ブゥ、ブヒイィ」

奇怪な声と共に、少女達の顔から突き出した
大きな二つの穴を持つ鼻・・・・。

それを合図に、次々と変身していく少女達。

直立した豚少女に囲まれ

「あ、あああああ・・・こ、これは、・・・・
 い・・・一体・・・なんですの・・・・・・」

先輩生徒・・・・・・その中に姿を消し・・・・
再び姿を現したとき・・・・・・

「ブゥ、ブヒ!!!」
長くつややかな黒髪をなびかせ、大きな鼻息を鳴らす雌豚。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なあ、○○って、あんなにスタイルよかったけ?」

「え、あいつって、三組のあいつか?
  って胸デケえなあ!!!
  いつのまにあんなになったんだ。・・・・・」

周りの少女達が皆『ふくよか』な体つきになっていく事に
驚く男子生徒だが、

魅力的な女子に鼻の下を伸ばした彼等には、
この学校に起こったことの本当の意味など考える事もなかった。

しかし、女子の中には、

「ふん、なによ。あんな子。ただ太っただけじゃない・・・・。」
と冷ややかな視線を送っていた少女も・・・・・・。

「さなえ・・・・ちょっと・・・・」
と友人に誘われ・・・・。

「全く・・・何よ・・・・・・」
と物陰に消え・・・・・・。

「ぶひ、ブヒイイイイイイイイイイ!!!!」

頭から生えた耳と『豊満な』体を揺らしながら
短い尻尾を振っている。

こうして、増えていく牝豚たち・・・・・。
その数が100に達するのに・・・・・それほど時間は掛からなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

伊乃の部屋。

寝転がり、絡まりあうピンク色の肌・・・・。
2頭の雌豚がじゃれあっている。

そのうちの一頭が、ビクっと痙攣すると

その体型がスマートに。
2つの蹄が5指になっていく。

「ブギュウ!!!、ちょ、ちょっとまって、
 まだ、ぶきゅうう・・・あとちょっとぉおお」
頭を黒髪が覆い胸の部分に2つの膨らみができると

裸の伊乃が絨毯の上にしゃがみこんでいた。

(・・・・・あともうちょっとだったのに・・・・・・)
名残惜しそうにうつむいた伊乃。

「これで100匹の牝豚が揃ったね?伊乃ちゃん。・・・・」

同じように人の姿に戻ったさくらが伊乃に声を掛けてきた。

「え、あ・・・ああうん。」

「どうしたの?」

「うん・・・実は・・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「「「「ブゴゥ・・・・、ブヒブヒ・・・・」」」」

広場に集まる人影と、
響き渡る鼻息。

「さあ、言われた通り、百人の女の子を豚人間に変えたわ。」

伊乃の周りに並んだ少女達や女性たち。
うつくしい髪を揺らし、立っている物たちは、制服姿の女子学生。
一部スーツ姿の女性も混じっているが彼女達は教師なのだろう。

彼女達の美しい顔の中央に位置する鼻はいびつに膨らみ
正面を向いた鼻腔から鼻息が漏れる。

『うん。すごいね。じゃあ、契約完了だよ。願いをいって。』

「あああ、これでやっと・・・・・・
 あ・・・・・お願い・・・・あ・・・あたしを・・・・・・」
 
感極まったのだろう、少女は言葉を詰まらせる。

その姿に、ほくそえむ『影』。
そして搾り出された少女の言葉は・・・・。

「あたしを完全な『豚』にして!!!」

同じ豚人間を増やしていくうちに
豚の快楽に目覚めてしまった彼女・・・・・。

その思いは、次第に大きくなり、
最後には、人の姿を嫌悪する感情へ変化していった。

『あれ、人間になるんじゃないの?』

「こんな汚らわしいくて、みにくい姿、早く捨てたいの!!
 お願い、あたしを・・・・・豚に・・・・」

「わたくしも!!!」

「あたしも、あたしも、豚に・・・・・」

「お願い、悪魔さん、わたしも豚にして!!」

「豚にしてえ」

髪の長い大和撫子の少女が、
活発な運動部少女が、
物静かな文学少女が、
グラマラスな女性教師が、
皆悪魔に懇願する。

『いいよ。君たちの願い・・・・・。
 その体と心を代価に叶えてあげるよ。』

制服を突き破るように体が膨らみ。
姿を変えていく少女達。
完全に豚の姿に変わると、

伊乃の体から白い影のようなものが現れ、
それは人であった頃の彼女の姿を形作る。

『あ、あはぁ、あははは、はぁあああ、
 ぶぅ、ぶぅ・・・・ブヒィ、ブヒィー!!』
伊乃の幻影・・・・・彼女の魂が気持ちよさそうに声を上げながら
と豚となり、スゥーっと消えてしまった。

もう、彼女は自分が『伊乃』と呼ばれていた事も、
人間であった事も全て忘れ、一頭の牝豚として新たな生を受けたのだった。

『いいよぉ、すごいよぉ。伊乃ちゃん。ぶひ・・・・ブヒィイイ』
伊乃の姿を横目にみながら、さくらの人としての心。
いや、魂といものもまた・・・・・。


『ああ・・素敵・・ブヒッ!・・・素敵・・・・フゴッ!!
 ・・・過ぎますわぁ・・・・・・・・・・・・フゴオオオオオ!!!!』
長い黒髪を振り乱し、清楚な少女の姿をした魂・・・・
それの姿も体と同じようにの鼻腔が広がり・・・・。

『ああ、サイコー、あたしの中に、中に、
 ブゥ!、ブヒ!?、ブヒイイイイ!!!!!』
スポーツで鍛えた足の根元、引き締まったお尻から、
短い尻尾が生え、ピョンピョンと跳ね・・・・・・・

『あ、あああああああ、ブヒイイイイイイ!!!!』
美人教師と言われ、生徒達から羨望の眼差しを向けられたその姿が・・・・・。

そして、人の姿と同時に心を・・・・・魂を・・・・・獣に堕としていく者達。

そこに恐怖はなく、
豚となる喜びに心を躍らせ、歓喜の声を上げならがら、
『人』を捨てていく者たち。


少女達から、抜け出て形を失った魂達は、影の元に集まり。
白い煙のようなそれは、黒い闇に取り込まれてく。

魂を取り込むたび、真っ黒な体は、質量を得て実体化しそして変化してく。

黒く短い髪に青白い肌。
黒光りするふくに、足をすっぽりと覆ったブーツ。

蝙蝠のような翼を生やした
少年のような姿に変化して言った。

「もう最初の人間に戻してほしいって願いの事すっかり忘れて・・・・
  ははは、人間って気楽でいいな。こんなに簡単にやめられるんだから
  でもおかげで僕も実体化できし、君たちには感謝しないとねえ」

実体のなかった時には、感じる事の出来なかった
空気を震わせて声を発することで

実体を得た喜びに浸る彼。

しかし、それは快楽に溺れ、
『人』を失った彼女達の耳にそれは届く事はなかった。


「さあ、この仔たち・・・・どうしようかな~。」

少年は、品定めでもするかのように
群がる101頭の豚に目をむけるのだった。
	
おわり
Page TOP