リクエスト 作品 No.01 (ブラッディロア4)
アリスの長い一日
作者:DarkStar
この作品は、aroさんのリクエストを元にDarkStarが、作成した作品です。
獣人、 人でありながら、 獣の姿に変わる異形の者たち。
彼等が世の中に知られるようになって数年。
それまで 『ヒト』 の作った歴史の中に隠れるように生きてきた
彼等は徐々に人間世界の中で存在感をあらわしてくるようになった。
その中でそれまで普通に暮らしてきた人々の中からも
彼等と触れ合う事によって眠っていた自分の力を呼び覚ましていくもの。
増えていく獣人の数とその力に
なんの力も持たない人々は、 恐怖、 差別、 逆に羨望の眼差しを向けるの者と
様々だった。
しかし、 それも時の流れと共に徐々に収まり、
そして ・ ・ ・ ・ ・ 。
「あれ、 まったく ・ ・ ・ ・ ・ ・ ここってどこよ ・ ・ ・ ・ ・ 。
っていうか ・ ・ ・ ・ こんなラクガキでわかるわけないじゃない!!」
ヒステリック気味にあげた女性の声が、 深夜の裏路地に響き渡る。
闇夜の住人にはふさわしくないようなその姿 ・ ・ ・ 。
ジャケットや、 ワンピース、 ブーツに白を選びながらも、
アクセントとしてサポーターや、 ベスト、 靴下に
目の醒めるような青を持ってくることで、 より一層
清潔感を出している ・ ・ ・ ・ 。
彼女の名は野々村アリス。
謎の獣人暴走事件、 および、 多発する群発地震。
人と獣人との共存を目的とした NGO の一員である
彼女は負傷者の介護に当たっていた
そんな彼女の前に現れたのは、
小さな少女と大男。
アリスの目の前に現れた二人組みは、
人目で彼女を 『獣人』 と見抜き、
手合わせと称していきなり襲い掛かってきた。
しかし、 アリスが見事返り討ちすると
『倒してほしい者がいる。』、 『神社まで来て欲しい。』 とだけ告げて
2 人は彼女の目の前から消えてしまった。
混乱する彼女であったが、
頻発する災害や事件について
手がかりを知るという彼らのあとを追うことにした。
「もう、 せめて、 匂いくらい残していってくれれば、 見当がつくのに ・ ・ ・ ・ 。」
そう、 2 人が立っていた場所からまさに忽然と姿を消してしまったのだ。
獣人であるアリスの嗅覚、 聴覚を持ってしても捉えられない状態。
彼等も、 おそらく自分と同じ獣人。
アリスの感覚がそう告げる。
しかし、 手がかりが何も無いと途方にくれる彼女の目の前にヒラリと舞い落ちる紙切れ。
それは、 少女が書いたのであろう神社の地図 ・ ・ ・ ・
しかし、 ただのラクガキとしか取れないそれから、
場所を特定するのは、 至難の業であった。
「これが ・ ・ ・ ・ ・ たぶん ・ ・ ・ ・ ・ ・ あのビル?
・ ・ ・ ・ だから ・ ・ ・ ・ この辺だと ・ ・ ・ ・ ・
思うんだけど ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
めざす、 神社はあと少し ・ ・ ・ ・ のはずだが
その姿は一向に見えてくる気配が無い。
「おねえさん ・ ・ ・ ・ どうかしたんですか ・ ・ ・ ・ ?」
アリスの前に表れたのは、 制服姿の女学生だった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「こっちですよ。おねえさん。」
塾帰りという彼女 ・ ・ ・ ・ 地元の女子高生に、 案内されて、
狭い路地を歩いて行くアリス。
(この子 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 獣人? ・ ・ ・ ・ ・ たぶん ・ ・ ・ イヌ科の動物 ・ ・ ・ ・ 。)
彼女の感覚が最初に教えたそれは、
少女から漂う。獣としての匂い。
狭い路地を突き進んでいくと、
そこは、 高速道路のガードした
フェンスに覆われた空き地。
「ねえ、 本当にこっちなの?なんだか ・ ・ ・ 行き止まりみたいだけど ・ ・ ・ ・ ・ 。」
アリスが数メートル先背を向けて立っている、 少女に呼びかけると
彼女は首をカクンとうなだれてまるで糸の切れた操り人形のように
その場に立ち尽くす。
「ど ・ ・ ・ どうしたの? ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
少女の奇怪な様子におそるおそる声をかけると
ぎこちなく動き出した少女が
「ううん、 こっち、 こぉおっんちでいいの・・・ 『コォオオン!!!!』」
そういって振り向くと、 顔の中心が白く目の外側へ行くにしたがって黄色からこげ茶色の
細い毛をびっしりと生やした少女の顔があった。
鼻の頭が黒く変色し、 鼻孔が形を変えながら、
口と一緒に前方に突き出してくる。
スカートから、 先端だけが白く、 黄色いふさふさの毛並みが生え揃い
彼女の身長の半分ほどもある尻尾がスッと伸びてくる。
それと同時に
まがまがしい力が風に乗って、 流れてくる。
「おねえさん、 おねえサああん、 イい匂いしマすねぇ ・ ・ ・ ・
お ・ ・ ・ ・ おい ・ ・ ・ おいシそうナ、 う ・ ・ うサ ・ ・ ・ うさぎぃィイイイ」
伸びてきた口と変化していく声帯のせいで、
言葉がうまく話せていない少女。
(暴走 ・ ・ ・ ・ 。)
冷静に彼女を分析し、 気を引き締めるアリス。
少女の体から、 あふれ出す 『気』、 人を獣に変えるそれは、
彼女の肉体の変化だけに止まらず、
破裂した水道管のように一気に噴出した。
雷のようなオーラを身にまとい
腰元で触れている巨大な尻尾が揺れるたびに、
制服の隙間から、 獣毛が飛び出し、
そのまま、 布を引きちぎって外にでてくる。
頭の上で、 三角の耳がピンと立ち。
裂けた口からは、 牙が並ぶ。
「クオオオオオオオオン!!!」
わずかに数秒、 少女の体は、 黄色い毛皮に覆われた二足歩行の狐に姿を変えていた。
「この子も ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
原因不明の暴走 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
先ほどまでとのは明らかに違う少女の様子。
まるで何かにスイッチを押されるかのように、 突然暴走した出した。
あの奇妙な二人組のしわざであり、
彼らに近づいたことで少女は暴走させられたのだろうか。
「もし ・ ・ ・ ・ ・ そうだったら、 絶対ゆるさい。」
暴走した獣人は、 もはや人ではなく獣となってしまう。
意識もなく、 勝手に体が動き、
人を傷つける。
正気に戻った後、 自分の行いを悔いても、
残るのは、 非力な自分の意思と、
人を手にかけた感触の残る肉体だけだ。
だが、 プラスに考えれば、
少女は、 幸福かもしれない。
相手が無抵抗に傷つけられるだけの人間ではないのだから。
「ぜったい ・ ・ ・ ・ あたしが助けてあげる。」
もはや、 人語を理解することができない
獣に対して、 アリスは自分の思いをぶつけた。
「クォオオオオン!!!」
甲高い声をあげて、 狐獣人が、
アリスに向かって襲いかかってくる。
二足歩行を忘れてしまったように、
両手を地面につき、 掌に生えた肉球が、 コンクリートに触れると、
4 つの肢で地面を蹴りながら獲物に向かって飛びかかってくる。
牙をむき出す獣は、
アリスの顔めがけてジャンプする。
それをひらりを交わすアリス。
スピードに乗った獣はすぐには方向転換ができず、
数十メートル先に進んでやっと U ターンしてきた。
思った以上にスピードが速い。
暴走状態をしめす。余剰エネルギーが、
電気のように全身を覆い。
ギラギラと光を発している。
尻尾と走る風にあおられ、 めくれあがる
制服のスカートに気を留めず、 走り続ける獣。
アリスも必死に捕らえようと体を動かすも、
当てることすらかなわない。
おそらく獣化しても、 このスピードに翻弄されてしまうだろう。
(だめ、 このままじゃあ ・ ・ ・ ・ 。こうなったら ・ ・ ・ ・ ・ )
「はぁああああああ」
大きく息を吸い肺の空気を一気に吐き出すかのように声を上げるアリス
周りの空気がまた変わり、 狐獣人とアリスのそれぞれを
中心とした風がぶつかりあう。
獲物が様子を変えたその様子に
野生の本能が、 『近づいてはならない』 と狐の動きを止める。
アリスの体に刻まれた謎の紋章。
力ある獣人に発現し、 力を与えたそれに向かって、 『気』 を送り込む。
人の心、 もてる力のすべてを紋章に注入し、
獣の心とパワーを100%いや、 200%以上 引き出す現象。
超獣化。
もはやそれしか、 彼女を止めるすべはない。
「はああああああ ・ ・ ・ ・ 」
声を張り上げるアリスの心の中で白い獣が
唸り声をあげて表に飛び出しその人格を塗り替えていく。
「はあああああ ・ ・ ・ ・ ・ ピィイイイイイイ!!!!」
いつもの獣化とは異なり、 余剰のエネルギーが全身を覆い
長い時間獣化することはできないが、
エネルギーを使い果たして人の心を取り戻すまで、
やはり人の姿になることもできない。
そんなある意味暴走状態に近い形態。
「ピィイイイイイイ!!!!!」
にらみつけるは、 白い兎。
もともと、 なわばり意識の強い兎が
外敵に対して、 敵意をむき出しにして威嚇し始める。
もはや、 やさしい彼女の姿はかけらもない獣の姿。
「クォオオオオオオオオオン!!!!」
「ピィイイイイイイ!!!!!」
歯をむき出し、 理性や知性の一切をなくした
獣たちが、 互いに向って襲いかかる。
もはやそこに、 狩るものと狩られるものの立場を超えた
獣同士の生き残りをかけた戦いが始まる。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「あ ・ ・ ・ ・ あの ・ ・ ・ ・ わたし ・ ・ ・ ・ 何 ・ ・ ・ してたんですか ・ ・ ・ ・ 」
「え、 ・ ・ ・ ・ えーーと ・ ・ ・ ・ 」
人に戻った少女にいわれ、 アリスは
うろ覚えの 『記憶』 を引っ張り出す。
暴走と違って、 超獣化には、 意識が存在する。
ただ、 それが善悪や良し悪しを判断する理性や知性がないだけ。
自分の中に記憶として保存されたデータを読みだすように深く考える ・ ・ ・ ・ 。
超獣化したアリスは、 強化された足技で狐少女のガードを崩し、
そのまま、 獣毛が生え棍棒のようになった両腕を振り上げ、 殴りつけた。
あまりのスピードに、 獣の動体視力は追いついたが、 体がついてこず、
かくして、 彼女の体は垂直に地面に叩きつけられ、
激突の衝撃で少女は、 人の姿になっていく。
しかし、 闘志をむき出しにしていた獣は、
その程度では止まらず、
体の中で唯一尖った前歯を、 気を失った少女に向け。
そのまま、 喉笛をかみちぎろうとしたところで、
やっと人としての意識を取り戻し、 彼女は獣化を解いたのだった。
だいたいそんな感じ、 記憶がうろ覚えな感じがするのは、
周りにいっさい注意をせず、 目の前の雌狐を追い払うことに注意をそそいでいたからだ。
「と ・ ・ ・ とにかくだいじょうぶ?」
我ながら情けない、 助けようとした人に襲いかかるとは ・ ・ ・ ・ 。
そう思いながらも、 アリスは、 少女に声を変える。
「あ、 はい。」
力はないがそれでも大丈夫であることは伝わった。
少女が気絶している間に手当はすんだ。
看護師である彼女の見立てではあるが、
頭などを強くうった痕跡はなく、
骨にも異常はなさそうだ。
外傷もわずかに負っているが、 獣人である少女ならば、
すぐに完治してしまうであろう、 かすり傷だけだ。
手当も完了したので、 やっと自分の身の回りを確認する。
我ながら、 飛んでもない格好だ。
獣化によってタイトなアリスの服は、 既に布切れの集まりと化し、
下着などは、 すでに痕跡すらない糸くずのようなものや、
その残骸が確認できるだけだ。
無事だったのは、 上に来ていたジャケットだけだが、
それも、 丈が短く、 また、 彼女の豊満な胸を覆い隠すには、
いま少し布が足りない。
なんとか着替えようとバックに手を伸ばしたが ・ ・ ・ ・ 。
その手をハシッととる手 ・ ・ ・ ・ ・
「あの ・ ・ ・ ・ ・ まってください。お姉さま ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
顔を赤らめ、 上目づかいにアリスを見つめる少女。
女性には当然わかる直感ともいうべきもの。
その感じに彼女の背筋に悪寒が走る。
「え、 ちょ、 ちょっとぉ、 あ ・ ・ ・ ・ いいやぁ
あ、 あたし ・ ・ ・ ・ ・ ・ そ、 そっちの趣味は ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
顔がぎこちなく、 笑顔がひきつっているアリス。
対する少女もほとんど似たようなものだ ・ ・ ・ ・ ・ 。
「おねえさま、 ・ ・ ・ ・ あたしお姉さまみたいな人と ・ ・ ・ ・ 。」
少女は恋する視線で、 アリスを見つめている。
彼女の言葉などもはや全く耳に届いていない。
「ね、 ねえ、 さ、 寒いでしょう ・ ・ ・ ・ このかっこうだと ・ ・ ・ ・ 。」
少女も獣化の際、 制服をボロボロにしている状態、
アリスよりは状態はましでも、 ひどい格好であることに変わりはない。
なんとか、 服を着る方向で話をすすめ、
おちつかせようとしたが ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
「平気ですよ。私たち ・ ・ ・ 自前の毛があるじゃないです。クオオオオオオオオ」
飛び出す耳としっぽ。
黄色い毛並みに全身を覆った獣が再びアリスに襲い掛かってくる。
今度は、 牙ではなく、 舌で ・ ・ ・ 。
「ちょっとぉ!!!!」
まるで、 主人に甘える犬のように、
アリスの顔をペロペロと舐める。
巨大な尻尾はうれしそうに左右に振られ、
それによってちいさな風が舞い上がる。
骨についた肉をしゃぶるように作られた獣の舌が、
アリスの白い肌をなぞる。
ザラザラとして、 温かいそれに触れられる。
「ちょ、 ちょっと、 あ ・ ・ ・ あん、 ま、 まって、 あッそ、 そっちはぁ」
顔をひとしきり舐めた彼女は、
体を隠すアリスの腕をかいくぐるようにして、
胸、 腹、 そして ・ ・ ・ ・ 。
「だ、 だめ ・ ・ ・ ・ 。あ、 あん ・ ・ ・ ・ ピィ!!、 あああん。」
アリスの耳介がギューッと伸び。
それが頭の上でゆらゆらと揺れる
左腕で胸を隠しながら、 右腕で上半身を支えた四つん這いのアリス。
丸見えのお尻から、 ふさふさと白い毛の生えた小山がぴくぴくと動いている。
足は、 変形しつま先立ちが自然な格好になっている。
どうやら、 超獣化を無理やり自分の意志で解除した余波。
興奮した彼女の感情が力を一気に呼び覚ます。
「もう、 いいかげんして!!!」
いまだ、 完全に人間姿のままである顔
しかし、 そう発した彼女の口からは、 鋭く伸びた 2 本の前歯が見え隠れする。
「クオ?。」
不思議そうに首をかわいく傾げた狐娘 ・ ・ ・ ・ ・ 。
しかし、 すぐに向き直って、 アリスに襲ってくる。今度は後ろの回って、
背中から新たに生えた尻尾の付け根に向かって。
「ちょ、 ちょっと。そ、 そこは、 ピィピィ!!」
アリスの肌に鳥肌が立ち ・ ・ ・ ・ いや兎の肌のような純白の毛が生えだす。
人の顔が変形し、 瞳の全体が赤く染まっていく。
「あ、 あん。だめ、 尻尾は、 ピィイイイイ!!!ピィイイイイ!!!」
声帯が変化し、 人間大の兎が姿を現す。
そして、 兎は狐に 『食べられて』 しまった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
指定された神社に降り立つアリス
その姿は、 紫の薄い布地の服で
わずかに下が透けている
したは、 紺色で太ももをわずかに隠す程度の短いスカート
まるでホステスか、
夜のパーティに呼ばれた招待客のような格好。
これにきつめのアイシャドーでも入れてしまえば
妖艶なる美女の完成といったところだろうか。
実は、 別の格好も用意してあったのだが、
さっきの少女に貸してしまったため、 三枚目となる。
この服を着ているのだ。
(これだとちょっと寒いのよねぇ、 でも ・ ・ ・
さすがに、 女子高生にこれで家に帰ってねとは言えないわね ・ ・ ・ ・ 。)
その姿に ・ ・ ・ ・ ・
「うわ ・ ・ ・ ・ せくしーですね。お姉さん。」
とは、 巫女服姿の幼い少女。
「だ、 だれのせいで ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
ちょっとぉ ・ ・ ・ ・ あんなラクガキでどうやって探せって言うのよ。」
「そ、 それは ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
でも、 道は決してわかりにくいほどでは ・ ・ ・ ・ ・ 」
慌てている所をみると少女自身も自分の絵心には、 自覚があるようだ。
確かに、 あの広場から、 わずか数十メートル。
高台のここから見渡すと、 巫女少女と最初にあった所からも、 あまり離れていない。
あれだけ迷ったのは一体何だったのだろう。
そう考えると、 同じ所をぐるぐると回っていたような気もする。
不思議に首をかしげるアリスと少女に
今まで沈黙していた大男が
「ん? ・ ・ ・ ・ マナ ・ ・ ・ ・ そういえば ・ ・ ・ ・ ・ 結界は ・ ・ ・ ?」
大男は何か思い出したかのように目線を下に落として少女に呼びかける。
「ああ、 そっか、 封印を解くから、 誰もここに近づかないように
人払いの結界を張って ・ ・ ・ ・ ・
神社から 『人』 を遠ざけるように ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ あははははは」
思い出すかのように言葉をつづけて、
それが途切れるごとに少女の顔つきが、 変わってくる。
どうやら ・ ・ ・ ・ 。
「言ってる事は、 よくわかんないけど、 ・ ・ ・ ・ ・
ようは、 ・ ・ ・ ・ ・ あたしがひどい目にあったのは
あんた達のせいっていう事でいいのかしら ・ ・ ・ ・ ・ 。」
「あはははは ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
かわいた声、 硬い表情で笑う少女。
年の割に妙に世間慣れしているような振る舞いをしている ・ ・ ・ ・ 。
ふー、 アリスは気を取り直すかのように大きな溜息を吐いて、
「さあ、 お望みどおり来てあげたわよ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
その目は、 挑戦的とも怒りに満ちているようにもどちらにも取れる ・ ・ ・ ・ 。
しかし、 彼女の長い一日はまだ終わらない。
そればかりか、 まさにクライマックスともいえる出来事が
これから起こるのだが、 それは、 またべつの話。