リクエスト 作品 No.02
新妻たちの憂鬱
作者:DarkStar
この作品は、Kさんのリクエストを元にDarkStarが、作成した作品です。
恋愛からスタートし、 ゴールインした二人の新たな新婚生活。
今まで、 生まれも、 育ちも違う二人の人間が
ひとつ屋根の下で、 家族として暮らす。
結婚を境に一層、 外に向かっていく男と、
逆に、 どんどん内に籠っていく女。
生活の変わった二人の生活。
それが幸福になるか否かは、
すれ違って行く二人の心を如何に一つにしようとするかではないだろうか ・ ・ ・ ・ 。
ケース1 香織の場合
ピンクのエプロンに身をつつんだ。
かわいらしい女性。
パッとみれば少女とも見間違えるほどの童顔の彼女。
結婚して、 数ヶ月
2 人キリの新しい生活にも慣れてきた頃。
自分の家族 ・ ・ ・ ・ ・ それを守る自覚のできた男は
今まで以上に一層仕事に熱が入り、
一方、 時の止まってしまったように毎日毎日のマンネリな暮らしに
漠然とした不安を感じるようになってきた。
「はー、 彰くん ・ ・ ・ ・ またお仕事 ・ ・ ・ ・ ・ 。
やっぱり、 あたしってに魅力ないのかなぁ ・ ・ ・ ・ 。」
見つめるのは、 あまり起伏のあるとは言えないボディライン。
元々内向的だった彼女 ・ ・ ・ 香織は
日々の閉鎖的な暮らしに
視野がさらに狭くなって、
悪い方向へ考えてしまうようになっていった。
そんな彼女が何気なく開いた雑誌のページ。
「ええ ・ ・ ・ 食べるだけで、 胸が大きくなる ・ ・ ・ ・ 食品 ・ ・ ・ ?」
半信半疑に思いながら、 広告に注目する香織。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ そして、 数日後
「どんなのかな ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
不振そうにしながらも、 キャッチフレーズに負け、
購入を決めた香織。
幸い価格も、 それほどでもなく
結婚前にためていたお金で十分足りたので、 いちいち報告するような事でも
ないのだが、 自分のコンプレックスに関して、
「気にしない」 と言ってくれたやさしい夫の気持ちや、
はずかしさも手伝って、 夫にはいうことができなかった。
「え? ・ ・ ・ ・ ・ やさい?」
宅配された段ボールを開けてみると、
その中身は、 緑一色。
野菜の中でも、 根菜類は少なく、
ピーマンなどの苦味の多い野菜や、
レタスなどの葉や茎を食べる野菜、
中には山菜のようなものまで入っていた。
「胸を大きくするって書いてあるから、
てっきり乳製品でも入ってるのかなぁって思ったけど ・ ・ ・ 。」
そんな彼女の目に留まる一枚のチラシ。
『食生活改善のための食品第一弾。 特選野菜』
それによるとこの健康食品は、 毎週送られてくる製品によって、
食生活を改善し、
それによって理想のスタイルを作り上げようと銘打っていた。
科学的根拠が明確に記されているわけではないが、
香織には、 なんとも説得されていてしまうような文言の
数々に彼女は、 すっかり信用しきってしまった。
しかし ・ ・ ・ ・ 。
「う ・ ・ ・ ・ 、 セロリかぁ、 私 ・ ・ ・ あんまり好きじゃないんだけどなぁ」
もともと、 食生活には子供のような好き嫌いがある香織。
しかし、 自分の目を堅く閉じ、 顔を左右に振って邪念を払うと
「ううん、 これも、 ひいては彰くんのため、
よーし、 これで理想の体型になるぞぉ!!! おー」
と握り拳を高々と上げる香織の姿があった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「今月苦しいのか?」
ここのところ、 つづいた野菜を主体とした料理。
自分だけが野菜を食べている不自然な状況を回避するため、
結局、 家の食卓には、 スーパーで夫の分を買い足して作った
野菜中心のメニューが並ぶ。
最初こそは、 気にしていなかった夫も、
ついと今まで食卓に上ることがなかった山菜のおひたしが
出てきた今日はついにそんな一言が出てきてしまった。
「ごめん、 そういうわけじゃないんだ。 ・ ・ ・ ・
来週には、 ちゃんとしたお料理を作るから ・ ・ ・ ・ ・ 。」
なんとか、 次の食品が届くまでに ・ ・ ・ ・ 。
すべての食材を使い終える事が出来た。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ そして、 次の日 ・ ・ ・ ・ 。
「今度は ・ ・ ・ ・ ・ ・ なにこれ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 青汁?」
中に入っていたのは、 深い緑色の液体が入った
透明なビンのボトル。
大きさは、 大型の牛乳瓶のサイズ程。
なかなかたっぷりの量がある。
『食生活改善のための食品第二弾。 特製青汁』
なんとなく色合いではわかっていたが ・ ・ ・ ・ 。
「青汁かぁ ・ ・ ・ ・ ・ ・ どんなんだろ ・ ・ ・ ・ ・ 」
今まで飲んだことのなかったジュース。
しかし、 噂に聞くその味は、 予想通り。
「にっがーーーーい!!!!!」
そういって、 顔をしかめる香織。青臭いにおいと共に、
独特の苦味が口の中に広がっていく感覚。
今まで嫌いだった野菜を克服したばかりの
香織には、 また一段とハードルが高くなったように感じた。
「う ・ ・ ・ まだまだ、 こんなにあるんだぁ。」
床に落とした視線の先、
箱の中には、 一週間分というだけあって、
先ほど香織が口をつけたビンがあと、 7 本。
先は長いと思っていたが、
一日三食。野菜の時もそうだったが、
不思議と何度か口に運んで行くと、 するすると飲めるようになっていた。
飲み始めて、 3 日目となる日には、 もはや、 なんの躊躇もなく、
逆に満面の笑みで、
「おいし~」
という一言さえ出てきた。
そんな彼女の横から、 大きな手がぬっと伸びると、 飲みかけの
グラスを取って、 自分の口元へ
「じゃあ、 俺にも ・ ・ ・ ・ ・ ゴグッ、 う ・ ・ ・ ・ なんだこれ、 青汁じゃないか!!!、
ゴホッ、 ゴホッ!!」
風呂上りに、 妻が口にしたジュースに手を伸ばし
口をつけた途端、 その中身に驚き、 夫はひどい苦みに思わずむせる。
「ごめん、 彰くん。 ・ ・ ・ 大丈夫。 ・ ・ ・ ・ ・ 。」
「あ、 ああ、 ・ ・ ・ ・ ・ ・ お前、 そんなの好きだったけ?。」
どちらかといえば、 甘いジュースが好きだった
香織が急にそんなものを飲みだした事を不思議に思った彰。
「あ、 うん、 最近ハマったんだぁ ・ ・ ・ ・ 。」
・ ・ ・ ・ ・ ・ そして、 次の週。
「今度は ・ ・ ・ ・ ・ 、 何これ ・ ・ ・ ・ 。」
送られてきたのは、 量にして前回の倍以上。
ダンボールにして、 3 つ。
そして、 入っていたのは、 ブロック状に切られた茶色い塊。
例の如くチラシを見つけた香織だったが、
『今まで、 よく頑張りました。これが最後の食品です。
これを一週間食べ続ければ、 あなたの理想の体型は、 貴女の物。』
とだけ書かれた紙切れ、
結局この物体がなんなのか、 説明は一切されていなかった。
そんな香織の後ろから ・ ・ ・ ・ ・ 。
「あれ、 ・ ・ ・ ・ ・ なあ、 香織 ・ ・ ・ ・ あの青汁 ・ ・ ・ もうなくなっちゃったのか?」
「え?、 う ・ ・ ・ うん、 どうして?、 昨日飲み終わっちゃったけど ・ ・ ・ ・ ・ 。」
「なんかさあ、 あの後、 あとひいてさあ、 ついつい、 手が伸びて ・ ・ ・ ・ 。」
「そうなんだ ・ ・ ・ ・ ・ 実はね ・ ・ ・ ・ ・ 。」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「へえ ・ ・ ・ ・ これが ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
結局、 香織は夫に、 今までのいきさつを話し、
最後に届いた謎の食品について、 意見を聞いてみることにした。
「そうなの、 なんだか ・ ・ ・ わかる?」
「わっかんね ・ ・ ・ ・ ・ ・ でも、 クンクン ・ ・ ・ ・ 匂いは ・ ・ ・ ・ いいな」
そういって、 塊に顔を近づけた香織の鼻をくすぐる
少し、 香ばしい匂い。
「あ ・ ・ ・ ・ ・ ・ あ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ホント ・ ・ ・ ・ おいしそう ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
目を細め、 無意識に、 口が開き、 舌が伸びる。
ムシャ、 ムシャ ・ ・ ・ ・ ムシャ ・ ・ ・ ・
塩気も、 甘みも、 辛みも一切なく、
味もそっけもない塊。
「おいし ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
「ああ、 そうだなぁ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
まるで催眠術にでも、 かかったかのように
ぼーっとしながら、 夢中で食べる二人。
あっというまに、 それぞれパンにして 1 斤ほどあった
塊を平らげる二人。
「ねえ、 なんだか、 ・ ・ ・ ・ ・ 眠くなってきちゃったぁ」
「そうだな ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 今日は寝るか ・ ・ ・ ・ ・ 。」
けだるそうに、 ベットに横たわった二人は、
寝巻きにも着替えずそのまま眠ってしまった。
・ ・ ・ ・ 次の日の朝。
「俺 ・ ・ ・ ・ なんだか ・ ・ ・ ・ 食欲ないな ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
「私も ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
その日は、 夫婦そろって食欲がない。
満腹ではない、 それが証拠に、
おなかはグーグーと鳴っているのだ。
しかし、 目の前の料理をみると ・ ・ ・ ・ ・ 。
なぜか食べる気がしない。
「ねえ、 今日の朝ごはん ・ ・ ・ ・ 昨日の奴 ・ ・ ・ ・ ・ にする?」
「そうするか ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
香織が重そうに切り出し、 彰もそれに同意する。
しかし、 茶色い塊を見たとたん。
二人は、 がつがつとそれを口にほうばる。
そのまま、 すさまじい勢いでそれを食べ終えてしまう。
彰が仕事に出かけると。
香織はそのまま二度寝の体制に入ってしまった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
二人の奇妙な、 食物依存症が続いたのも、 わずか一週間。
最後の食品が届いて以降
あの食品を送ってきた会社からは、 音沙汰がない。
結局、 香織の体型が変化することもなかったが、
このことがきっかけで、
なんだか夫婦の間にあった擦れ違いが薄れ、
香織も自分の体を気にしないようになっていった。
それから、 さらにひと月。
幸せそうな夫婦の食卓ににかわしくない音が響く。
「ゲフゥ!!!」
生暖かい息とともに、 出てくる大きなゲップ。
今までの彰であれば、 ありえない光景だ。
「ちょ、 ちょっと、 彰くん。汚いよぉ。」
「そういうお前だって。」
「えー ・ ・ ・ ムグゥ ・ ・ ・ ・ ウプッ!! ・ ・ ・ ・ ムシャムシャ ・ ・ ・ ゴクン ・ ・ ・ 。」
一瞬、 口の中に物を吐き出そうとしたのをそのまま噛み砕き、 喉の奥に戻す香織。
それに気がつき、 利き手で口でを抑えながら、 「あ ・ ・ ・ ・ ・ 」 と声をあげてしまった。
「ゲフゥ!!!、 ムシャムシャ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
「ウプッ!!! ・ ・ ・ ・ シャリシャリ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
料理を喉の奥から出し、 口の中で咀嚼した後再び胃へ送る ・ ・ ・
そんな、 奇妙な行動を無意識に行っている二人。
初めのころは目についた相手の事も次第に気に留めなくなっていった。
あれ以来。二人の食生活は、
それまで、 肉類の比較的多かった食事から一遍。
そればかりか、 逆に肉食というものに対して、
嫌悪感すら感じるようになり、
香織は、 スーパーの精肉コーナーになど、
近づくだけで吐き気をもようおすようになってしまった。
だが、 代わりに増えた野菜や、 穀物類が
買い物カゴに山々と積まれている
そんな状態でも香織は ・ ・ ・ 。
「あ ・ ・ ・ ・ ・ ・ おなかすいたぁ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
そう、 あれ以来、 いくら食べても、
おなかがすく、 そして食べれば、 眠くなり寝てしまう。
心なしか、 体が重く、 その肩には何か重しでも
乗っけられたような、 感覚が続く。
「おなかすいたなぁ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
そんな状態で、 心の声がまたしても、 口から洩れる。
空腹に、 ふらふらとなる香織の目の前には、
小さな公園の真中にある芝生。
そのまま直に芝生に横になった
香織は、 全身で草のにおいを嗅ぐ。
( ・ ・ ・ ・ あ ・ ・ ・ ・ ・ あ ・ ・ ・ ・ いいにおい ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ おいしそう。)
目の前には、 青々とした草。
思わず、 香織はそれを口に含み。
口いっぱいに広がる青汁に
「ああ、 そう、 これ、 これがほしかったのぉ ・ ・ ・ ・ 」
間延びした声で、 つぎつぎと草を毟る
「おいしい ・ ・ ・ ・ 。んもぉっと。もおおおっと。食べたい ・ ・ ・ ・ 。」
体を大きく揺らしながらついには、 四つん這いになって、
地面に口をつけるようにして、
草を食べる香織の姿があった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
毎夜繰り返される夫婦の営み、
仕事から香織の方へ向いてくれた
彰の思いにこたえるように、
香織は声を上げる。
「あん ・ ・ ・ ・ あああん。」
「そういえば、 香織 ・ ・ ・ ・ ・ お前 ・ ・ ・ 胸 ・ ・ ・ 大きくなったぁ。」
「え、 そう ・ ・ ・ ・ ・ 。」
確かに実感はなかったが、
鎖骨にかかる大きな重量。
体をたびに揺れる乳房。
付き合いだした頃には、
彰の手におさまっていたそれは、
今では、 当てた手のひらの指の間からはみ出るほどの
ものへと変わっていた。
「あんまり、 意識してなかったけど ・ ・ ・ ・ ・
やっぱりあれ ・ ・ ・ ・ 効果あったのかなぁ」
「いや、 俺が、 毎日揉んでるからじゃねえの」
そういって、 彰は、 豊かになった香織の胸をもみしだく。
「ああ、 だめ、 彰くぅん。気持ちいい ・ ・ ・ ・ だめ、 だめぇ!!!」
夫の愛撫の声を上げる妻その声に、 彼の手にも、 一層力が入る。
「やぁだめ、 もおお、 胸が ・ ・ ・ 乳首があつい ・ ・ ・ ・ ひゃん ・ ・ ・ ・ ・
な ・ ・ なんか ・ ・ ・ でるぅ!!!」
ピュッ!!ピュゥ!!
「え?」
顔を近づけた彰の頬にかかる白い液体。
精液とは違うそれは ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
「こ、 これ ・ ・ ・ ・ ・ 母乳じゃないか ・ ・ ・ 。」
妻の胸からこぼれる液体
「お、 お前 ・ ・ ・ に ・ ・ ・ ・ 妊娠したのか ・ ・ ・ ・ 。」
「わ ・ ・ ・ ・ わかんない ・ ・ ・ でも ・ ・ ・ でも ・ ・ ・ ・ きもちいいよぉ
ねえ、 きもちいいのぉ ・ ・ ・ ・ もっと、 もっと。もぉっと絞ってぇ。」
妊娠の可能性よりも、
母乳を絞り取られる快感支配され、
甘えるように夫にせがむ香織。
「よおおし、 もっと絞ってやるぞ。香織。」
パーの手を乳房の下の方に当て、 それを握るように揉む彰。
その握力で、 ひしゃげる胸から白い液体が次々とあふれていく。
「あ、 あああ、 いいい。彰くん。もぉっともっとつぅよくう。」
調子に乗って、 揉む手を早くする彰。
しかし、 あふれ出る液体は止まることを知らず流れ出る。
やがて、 ベッドルームは、 独特のにおいに支配される。
「なんか ・ ・ ・ 臭いな ・ ・ ・ ・ 。」
不審なにおいに手を止めた彰 ・ ・ ・ そのもとは、
「香織のおっぱい ・ ・ ・ ・ 。これ、 牛乳のにおいがする。」
そう母親の母乳とは違う。動物のにおいの染み付いたそれ。
それが、
「どおぉしたのぉ、 あきらぁくぅうん。もぉおおっと、 もおおっとしぃぼってぇ」
間延びした香織の声、 その姿に彰は息をのむ。
彼女のピンク色の肌は、 ところどころ黒いあざのようなものができ、
ちょうどこめかみのあたりから白い角が突き出し、
胸を支える手は指先が黒く変色し、 形を変えていく。
「お ・ ・ ・ ・ 、 お前どうしたんだ ・ ・ ・ ・ そのかっこ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
「なああにぃ、 もおおおお、 しぼぉおって、 しボォオオ!!!って、 あきらくん。」
高く澄んだ香織の声の中に別の音が混じるようになり、
大きな胸とでうつくしいS字を作る腰のから、 斑点模様のついた棒のようなもの ・ ・ ・ ・ 。
尻の付け根から、 生えたそれを本物かどうか、 恐る恐るひっぱる彰。
しかし、
「もおおおおお、 うもおおおおおお!!!!」
妻のあげた声に驚き、 夫は思わず、 手にしたそれを離してしまう。
引っ張った感触、 そして感じる体温。
「はあああ、 もおおお、 あああん、 もおおおお、 うもおおおおおお!!!!」
まるで絶頂を迎えるかのよに体をそらし、 声をあげた香織の体が、
徐々に大きくなり、 そして肌を白い毛が覆っていく。
全身を白と黒とコントラストを強調された体。
二つの胸が一つになって、 さらに大きなそれへと姿を変えた巨大な乳房。
そして、 長く延びていく口元から、 白いよだれを垂らした香織は ・ ・ ・ ・ ・ 。
「ウモオオオオオオ!!!!」
という鳴き声とともに、 立派なメス牛へと姿を変えてしまった。
「香織、 香織!!!!」
そう呼びかける彰を尻目に
「モオオオ!!!、 ウモオオオオオオ!!!」
とメス牛は、 尻尾を揺らしながら、
「モォオオオオオ!!!!」
まるで男を誘惑するかのように視線を送る。
尻を向けられた男の視線には、 揺れる尻尾と
その間から、 見えるメス牛の性器。
フー、 フー、 フー!!!。
それに自分でも気が付かないうちに興奮していく。
「ブホォオオオオオオオオ!!!!」
喉から、 野太い声をあげた彰の頭には理性の代わりに
大きな 2 本の角が根付いていた。
「ボオオオオオオ!!!」
「ウモオオオオオオ!!!!」
二人の愛の巣はまさに二頭の愛の 「巣」 へと姿を変えてしまったのだった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ケース2 志穂の場合
「和也のやつ今日も残業なんて ・ ・ ・ ・ 。」
彼女は、 キャリアウーマンとして、
独身時代は、 バリバリ仕事をこなしてきた
そんな彼女が、 結婚を期に
専業主婦となったのだったが ・ ・ ・ ・ 。
世間に刺激され、 朝から夜まで
働いていた彼女にとって、
刺激が少なく、 毎日毎日同じ事が繰り返しの
主婦の生活には、 退屈そのものだった。
仕事一筋だった彼女には、
趣味も特に無い彼女。
友人と遊びに以降も、 同じ会社の物は当然仕事 ・ ・ ・ ・ 。
学生時代の友人も、 遠くに住んでいたり、 既に子育てに追われたていたりと ・ ・ ・ ・ ・ 。
退屈な毎日 ・ ・ ・ ・ しかし、 そんな彼女に、
ふっとよぎる不安。
「まさか、 拓郎 ・ ・ ・ ・ あいつ浮気でも ・ ・ ・ ・ ・ 」
無論そんな事実はない。根拠もない。しかし、
もともと嫉妬深く、 プライドの高い彼女は、 誰にも
相談せずに、 その思いは、 日に日に募るばかり。
仕事で遅くなるといった夜。
出張だといって出かけた先。
疑い出せば、 すべてがあやしく見えてくる。
しかし、 決してそれを表に出さない彼女。
強い女性であるがゆえに陥る袋小路。
答えがでず、 ため込まれ募る思いは、 大きくなるばかり。
そんな彼女の眼に ・ ・ ・ ・ 。
「しているだけで、 だんなを繋ぎとめる魔法のネックレス?」
何気なしに、 パラパラっと見て、
気になった記事があった雑誌。
その広告ページに書いてあった何気ない。一言。
たまりにたまった志保の疑心暗鬼は、
次の行動へと足を進めることになった。
そして、 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「ようやく届いた。いつまで待たせるのよ。」
そういって、 箱から取り出したのは、
何の変哲もないネックレス。
不振に思いながらも、 さっそくつけてみる。
「こんなんで、 本当になんとかなるのかしら。」
疑いの眼差しを向ける彼女 ・ ・ ・ ・ 。
しかし、 玄関から
「ただいま ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
「おかえり ・ ・ ・ ・ ・ さきにお風呂にする?」
そう聞いた夫に、 風呂に入るといわれ、
夫の上着を片付ける志保。
ふと持ち上げた上着から、 香るにおい。
夫の ・ ・ ・ だけでは、 ない ・ ・ ・ 。女の第六感。
そこで何をおもったか、 服をペロッと舌でなめ
口の中で転がす。
「やっぱり、 女の匂いだ。」
そう直感した志保は、 そのまま、 夫を問い詰める。
『なんで、 あなたの上着から女の匂いがするのよ。』
と激しい剣幕で怒る妻。
夫には、 まったく身に覚えがない。
第一、 口紅などならともかく、 においなどという話を持ち出されては、
かなわない。
ためしに拓郎もにおいをかいでみたが、 香水のような匂いは一切しない。
その時は、 お前の気のせいだよ ・ ・ ・ ・ となだめられたが、
逆に志保は。
「やっぱり、 拓郎には、 女がいたんだ。
なんであたしに内緒にしてるんだ。あの馬鹿!!!」
「いったい誰、 誰なのよ。どこの女よ。」
気になってしまいには、 拓郎の後をつけるようになる志保。
「あの女!!!!!」
一人、 見知らぬ女性が近付いてきただけで彼女の嫉妬の炎は燃えあがり、
帰ってきた夫に、 問い詰めるのだった。
近くにいても、 拓郎には、 志保の存在は、 全く気づかれない。
しかし、 自分の行動をいちいちチェックしているような妻。
本人は、 たまたま見たと言っているが、 偶然がそれほど重なるだろうか。
それは、 日に日にエスカレートしていく。
身に覚えがないことがほとんどだったが ・ ・ ・ ・ 。
彼女の言っている事を
よくよく聞いて思い出してみれば、 通勤電車で隣に女の人が
確か乗っていたような ・ ・ ・ ・ だったり、
事務の女の子に、 肩を叩かれたような ・ ・ ・ ・ だったり
本人でも意識していない。ところまで、
志保のチェックはさらに、 厳しくなっていく。
そんな様子にさすがの夫も。
「もう、 いい加減にしてくれ、 軽いやきもちなら、
おれも許すけど、 人に触った触られたまで気にしてたら、
仕事なんかしれられない!!!」
力いっぱいにそういう拓郎の様子に ・ ・ 。
普段温和な彼がそういう姿。
付き合っている当時からも一度も見せた事はない。
それに効果があったのだろうか
「そう ・ ・ ・ ・ 拓郎は ・ ・ ・ ・ 私なんか ・ ・ ・ ・ いらないのね。」
頭を下げ、 彼とは対照的に力なくそう応える志保。
全身の力が抜け、 壁に寄りかかりながらうなだれている。
「そんなことを言ってない。ただ。」
いつもとは対象に元気がなくなってしまった妻になんとか、
「いやぁ、 拓郎、 拓郎、 アナタハ私のモノ!!!」
クワッと頭をあげ目を見開いた志保は、 そのまま拓郎に抱きつく。
その目はぎらぎらと輝き、 怪しい光を放っている。
「お、 おい ・ ・ ・ ・ 志保 ・ ・ ・ ・ い ・ ・ ・ 痛い ・ ・ ・ や ・ ・ ・ やめろ。」
温かいはずの妻の体はひんやりと冷たく。
抱きつかれただけなのに、 まるで磁石に吸い寄せられた鉄のように
拓郎の体は全く動かない。
そればかりか妻の腕の力は尋常ではなく、 もはや腕一本動かす事ができない。
「拓郎 ・ ・ ・ 絶対 ・ ・ ・ ・ ・ はなさない。」
興奮し、 鼻息を荒くする彼女の口から、 舌が出たり入ったりしている。
抱きついたまま、 両足を絡める。
(こいつ体こんなにやわらかかったっけ?、 ってそんなわけない!!)
拓郎が驚くのも無理はない。そう、 彼の体に志保が巻きついているのだ。
体全体をふにゃふにゃと曲がげ、 体巻きつける、 志保。
やがて、 その側面から生えていた2対のパーツは、
その役目を失ってしまった事を自覚するかのようにするすると体から抜け落ちてしまう。
彼女から、 離れた腕と足は、 そのままスカスカに水分が抜けていき、
床の上で干からびてしまった。
「へ ・ ・ ・ ・ 蛇 ・ ・ ・ ・ ・ 。」
そう口にした。拓郎の目の前で、 二股に分かれた舌をのぞかせながら、
口を広げた志保の顔の皮膚が頭皮ごとずるりと剥け
首の根元で、 ぶつぶつと切れて、 パサリと落ちる。
その上で、 逆三角形の頭に鱗を覆った顔が現れ
「シャー、 シャー!!!」
と鳴き声とも呼吸ともつかぬ音を発する志保。
巻きつけた体を拓郎にこすりつけ、
人間の時、 肌であった、 皮を剥き。
体のきらめく鱗を現す志保。美しい女性は、 その痕跡にとして、
人一人分の 『皮』 を残して、 巨大な蛇へと姿を変えてしまった。
最後に残った腰のくびれ、 膨らんだ胸やおしりは、
蛇腹もようや鱗の中に沈んでいき、 もはやその痕跡をなくしてしまった。
『たくろーー』
蛇がそう言ったように拓郎に聞こえると。
その体を蛇となった妻が締め上げる。
「ぎゃああああああ ・ ・ ・ ・ ・ 」
全身の骨という骨を粉砕される夫。
彼が激痛に気絶してづづけられ、
体中の骨を砕いて、 まだ妻の 『手』 やっと泊まる。
絡まった体がするすると動き、
拘束が解かれていく。
無残に、 頭、 背骨だけを残した夫の体。
全身がふにゃふにゃになったその背中に
志保は牙をつきたて、 スーーっと、 滑らせると、
ぱっくりと開く肌色の皮。
そして、 その中からは、 うつくしい緑色の物体 ・ ・ ・ ・ ・ 。
ぐにゅぐにゅと動かしたそれは、
鋭い眼をした蛇。
メスの蛇はそのまま、 現れたオス蛇にからみつき。
つがいの営みを始める ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
全身を絡め、 快感を高めあう二匹。
人では決してまねできない、 激しいそれに、
それは飲まれ、 人としての意識を奪っていく ・ ・ ・ ・ 。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
『C 班、 こちら、 マンションの一室に横たわる大蛇を二匹確保しました。』
『こちらA班。同じく、 つがいのホルスタインを確保しました。』
ここはどこかの研究施設のような、 さまざまな機材がならび、
白衣を着た幾人もの研究者たちが忙しそうに働いている。
「よくやってくれました。両班とも引き続きサンプルの輸送をお願いします。」
そういって、 ここの責任者らしい。白衣姿の男が、 無線で部下たちに指示を出す。
『それが、 この牛どもは ・ ・ ・ ・ その ・ ・ ・ 真っ最中でして、
まったく離れる気配がないんです。
あの ・ ・ ・ ・ こいつら、 本当に ・ ・ ・ ・ ・ 。』
口を濁す。隊員だが、 言わずともその意味を知ることはたやすい。
何より、 無線に入ってくる牛の鳴き声に、 白衣の男も状況を把握しているようだった。
「どうやら、 人の理性をなくして、
ただのけだものまで退化してしまったようですね。」
男が、 感情もなく、 たんたんと分析していると
一方で
『こちらは、 B 班。突然、 襲いかかってきた蛇に隊員の一人が負傷しました。』
「ふふふ、 交尾の邪魔をすると、
けだもの達は危険みたいですね。
両班とも、 搬送には、 気をつけるように ・ ・ ・ ・ 以上。」
そういって、 男は一方的に無線を切り、 ほくそ笑む。
「ふふ、 今回は、 いい素材が見つかってよかったよ ・ ・ ・ ・ 。
さあ、 次はどんな実験をやろうかな ・ ・ ・ ・ 。」
人それさえも、 実験体と言い張るこの男。
通販会社を装った、 この組織 ・ ・ ・ ・ ・ いや、
その恐ろしく倫理からかけ離れた、 悪魔の探究心は、
まだまだとどまるところを知らないようだ。