獣化学園シリーズ No.07
シンクロ部 頭より本能で・・・・
作者:DarkStar
紫十字女学園 職員室。
シンクロ部 顧問 水嶋美奈子(ミズシマ ミナコ)は、
部の成績不振に頭を抱えている。
「全く、 どうしたものかしら。
あの子達、 個々の技能は高いんだけど、
どうも協調性が ・ ・ ・ ・ ・ 。」
この紫十字学園は小中高、 大学までの一貫の学校。
姉妹校の白十字女学院と違って、
代々獣人の家系でお金持ち ・ ・ ・ ・ ・
言ってみれば、 由緒正しき
お嬢様獣人の学校という事になる。
そのため、 人に合わせるよりも、
自分のペースでという。生徒が多い。
その名の如く、 協調性が何よりも重要視される
シンクロ競技においてこの欠点は非常に痛いのだが ・ ・ ・ ・ 。
「なんとかしないとなぁ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
「あら、 お困りですの?。水嶋先生?」
「ああ、 猪頭先生。実は ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
と同僚に成績不振のシンクロ部について
話し始める。
「そうですか。協調性。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
「なにか、 いい案はありませんか?
アメフト部も団体競技ですよね。
何か、 いい知恵を貸してください。」
と顎に指を当てて考えるアメフト部顧問。
「そうですねぇ。あの仔達の本能を
刺激してみるとかいかがですか?」
「本能ですか?」
「わたくし達は頭より、
獣の本能で覚えさせる方が有効だと思いますの。
水嶋先生方の種族も、 何か本能を
揺さぶられるようなものはありませんの?」
「本能 ・ ・ ・ ・ 、 本能か、 あたし達の本能。 ・ ・ ・ ・ ・
あ!!!ありがとうございます。猪頭先生。
何かひらめきそうです。」
「そうですか、 お力になれてよかったですわ。」
意気揚々と、 職員室をでていく
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
シンクロ部用の室内プール
水着を脱ぎ去り全裸の女生徒達が
一列にならんでいる。
「あの~。先生。わたくし達いわれた通り。
朝から何も食べてないんですけれど ・ ・ ・ ・ 。」
「そう、 大丈夫あたしも、 一緒よ。
この練習はお腹がすいてないと意味がないから ・ ・ ・ 。」
と生徒の一人に言うと、 今度は別の生徒達が。
「それとなんで裸ですの?」
普通の学校ならセクハラで訴えられそうだが、
この学校では、 そういうことにはならないのだろう。
現に彼女たちとて、 水着を着ない事に
首をかしげながらも、 裸でいることに意義はない様だ。
「うーん。せっかくの水着破ったらもったいないから。かしら」
その一言で生徒達も、 なんとなく
練習の一部が判ってきたようだ。
「あなた達取り合えず、 そのまま水の中に潜っててね。」
と生徒達はそのまま、 プールに飛び込み潜っていく。
普通の人間なら、 余り長い間潜っているのは
難しいのだが、 水棲生物の獣人である彼女達には
水の中は、 心地よい場所であれ、
苦しいことなどなかった。
空腹のまま泳がされる生徒達。
(お腹すきましたわ。先生も、 どうしてこんな
練習を ・ ・ ・ ・ 。)
と、 美奈子は、 プールに向かって、 何か固まりを投げ込む。
ドボーン。という水しぶきと共に、
生徒達の目に、 赤い物が飛び込んでくる。
そして、 彼女達の鼻に感じる血の匂い。
(ア、 アレ、 お肉、 お肉ですわ。 ・ ・ ・ ・ ・ )
と水中の少女達の目が輝きだす。
(ど、 どうして、 こんな所に ・ ・ ・ ・
ああ、 おいしそうですわぁ ・ ・ ・ ・ ・ ・ )
沈んでいく生肉を見つめる少女達。
すると、 美奈子は、
「みんなーーー、 今から投げるお肉全部食べていいわよぉ」
と言葉を聞くや否や。
少女達は、 我先にと、 生肉に群がり食らい突く。
その後もいくつか、 生肉を投げる美奈子。
すると水中にいる少女達の体が変化していく。
顔全体が細長く、 成りながら、
口元が大きく裂け、
裂けた口からは鋭い牙がならび、
若く瑞々しい肌の上に堅い緑の鱗が生えてくる。
お尻の付け根当たりから、
骨が伸びそれと比例するように
手足が短くなっていく。
それまで、 水の中にいた
かわいらしい少女達は、
全員獰猛なワニへと姿を変え
鼻の穴を水面に出して、 息をしながら
プールを泳ぎまわっている。
すると今度は美奈子が
小さい肉の塊を一匹のワニの前に
投げる
するとそのワニは、 大きな口を空けて肉を丸呑みする。
今度は別のワニに、 肉を投げると
そのワニも、 同じように丸呑みしてしまう。
次は、 何個かまとめて投げると
ほぼ同時に餌に食らい突くワニたち。
これを繰り返していくと
だんだんワニ達の動きが揃うようになってくる。
こうして、 全てのワニ達の空腹が満たされるまで
続けられたのだった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「あれ?、 水嶋先生。
ご飯食べないんですか?」
「え、 ええまあ。」
(生徒達も頑張っているんだし、
あたしも ・ ・ ・ ・ ・ って
本当は、 今月もうお金ないから、
昼間ご飯買うお金がないんだけど。)
そう今回の練習のため、
部費で足りない分は、 自腹を切っていたのだった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
美奈子がプールにたどり着くと、
少女達が喜びながら飛び込み
その姿をワニへと変えていく。
その姿に
「くそお、 あたしだって
生の肉食いたいんだぁ」
お嬢様たちは、 単に楽しみでやっているが、
美奈子の安月給では、 まず買わないような高い肉。
その血の滴る肉の塊を目の前に
美奈子の肌が緑色に変わり、
口が伸び、
足より太い尻尾が生えてくる。
鱗に鋭い爪を生やした
ワニ女が、 肉に手を伸ばすと
水中から、
「ゴォオオオオ!!!!」
とワニ達がさわぎだす。
「ゴオオオオオオオ!!!」
(判ったわよ。すぐ投げるわよ!!!)
目の前の肉の塊を長い口で食いちぎり
その残りをプールに投げる。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「すばらしい。紫十字女学園、 見事な演技で優勝です。」
とアナウンサーの声が、 会場に響き渡る。
プールサイドで美奈子が
「やっとここまで来た。
フー、 でも、 おかげであたしの財布は空っぽ。」
優勝できたのはうれしいが
自腹を切った事がやはり美奈子としては痛い。
うなだれる彼女に生徒達が声を掛ける。
「せんせー、 やりましたわ。」
「わたくし達、 優勝しましたのぉ」
うれしさの余り、 口から牙を生やしている仔もいる。
そんなうれしそうにしている生徒達の顔を見て
「ふふ、 まあ、 これでよかったんだよね。」
財布の中身はなくなったが、
それも、 生徒達の笑顔で吹っ飛んだ。
「でも、 次はもうちょっと頭使って
練習させよ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
とりあえず、 今月どう乗り切ろうか考えていた
美奈子に
その後、 生徒の親から、
感謝の肉が送られた事は、 なによりの救いだった。